結論
FBA手数料は「配送代行手数料(出荷1件ごと)」と「在庫保管手数料(月次)」を足した金額です。配送代行手数料はサイズ区分と重量で決まり、在庫保管手数料は商品の体積と保管日数から計算します。まずAmazonのFBA料金シミュレーターで基礎値を確認し、そこから自分のスプレッドシートに組み込むのが最短ルートです。
FBA手数料の3つの構成要素
1. 配送代行手数料(フルフィルメント手数料)
出荷1件ごとにかかる費用で、商品の「サイズ区分」と「重量」で金額が決まります。サイズ区分はAmazonが定める基準(小型・標準・大型・特大など)で判定されますが、区分の詳細や境界値はセラーセントラルのFBAヘルプで現在の定義を確認してください。
重量は「実重量」と「容積重量(寸法から算出する仮想重量)」のいずれか大きい方が適用される場合があります。容積重量の計算式・適用条件はAmazonの規定によるため、セラーセントラルのFBAヘルプで現在の方式を確認してください。
サイズ区分を確認する手順
- 商品の実寸(縦・横・高さ)と実重量を測る
- FBA納品時の梱包後の寸法・重量を想定する(区分判定は梱包込みで行われる)
- セラーセントラルのサイズ区分表に当てはめる
2. 在庫保管手数料
月次で請求される費用で、体積ベースで計算されます。
在庫保管手数料 = 商品の体積(m³)× 月額レート × 保管日数 ÷ 月の日数
体積の出し方
縦(cm)× 横(cm)× 高さ(cm)÷ 1,000,000 = m³
月額レートは通常期(1〜9月)と繁忙期(10〜12月)で異なります。2026年4月時点の参考値(服・シューズ・バッグ以外の商品、税込)は以下のとおりです。実際の適用レートはセラーセントラルの「FBA在庫保管手数料」ヘルプで最新値を確認してください。
| 期間 | サイズ区分 | 月額レート(1,000cm³あたり) |
|---|---|---|
| 通常期(1〜9月) | 小型・標準 | 5.676円 |
| 通常期(1〜9月) | 大型・特大 | 3.278円 |
| 繁忙期(10〜12月) | 小型・標準 | 10.087円 |
| 繁忙期(10〜12月) | 大型・特大 | 6.984円 |
※上記は1,000cm³(10cm×10cm×10cm)あたりの月額レートです。体積(m³)を使う計算式に代入する場合は1,000倍した値を月額レートとして使用してください(例:通常期 小型・標準の場合は5,676円/m³)。
3. 長期在庫保管手数料
保管開始から271日以上経過した商品に追加でかかります。2026年4月15日時点の参考料率(1,000cm³あたり、税込)は以下のとおりです。
| 保管期間 | 追加手数料(1,000cm³あたり) |
|---|---|
| 271〜300日 | 16.662円 |
| 301〜330日 | 17.475円 |
| 331〜365日 | 18.085円 |
| 366日以上 | 34.239円(最低20円/点) |
料率は変更されることがあるため、実際の適用条件はセラーセントラルの「長期在庫保管手数料」ヘルプで確認してください。在庫回転が遅い商品では無視できないコストになるため、年間の利益計算には組み込んでおく必要があります。
スプレッドシートで計算する手順
ステップ1:FBA料金シミュレーターで基礎値を取得する
セラーセントラル内のFBA料金シミュレーターにASINまたは商品情報を入力すると、配送代行手数料の概算が表示されます。この値をスプレッドシートの参照値として使います。シミュレーターはあくまで参考値のため、実際の請求明細と定期的に突き合わせてください。
ステップ2:スプレッドシートの列構成を決める
| 列 | 内容 |
|---|---|
| A | ASIN |
| B | 商品名 |
| C | サイズ区分 |
| D | 重量(g) |
| E | 配送代行手数料(円) |
| F | 体積(m³) |
| G | 月間平均在庫数(個) |
| H | 在庫保管手数料(円/月) |
| I | 合計FBA手数料(E+H) |
| J | 販売価格 |
| K | FBA手数料率(I÷J) |
ステップ3:在庫保管手数料の数式を入れる
F列(体積)× 月額レート × G列(平均在庫数)の式をH列に設定します。月額レートは別セルに入力して参照する形にしておくと、Amazonの料金改定時に一括変更できます。通常期と繁忙期で切り替えられるよう、セルを分けておくと便利です。
ステップ4:利益計算に連携させる
合計FBA手数料に加えて、以下を同じシートに並べると商品ごとの粗利が1行で把握できます。
- 販売手数料(カテゴリ別の料率)
- 仕入れ原価
- 広告費(按分)
- 返送・廃棄コストの見込み
よくある計算ミスと対処
梱包前の外寸でサイズ区分を判定してしまう FBAは納品時の梱包状態で区分が判定されます。実際に出荷する状態の寸法・重量を測り直してから当てはめてください。
在庫保管手数料を「1個あたり固定」で計算する 保管手数料は体積ベースのため、大きい商品は同じ1個でも費用が高くなります。複数SKUを一律の金額で見積もると実態と大きくずれます。
繁忙期(10〜12月)のレートを年間通して使う Q4は保管手数料レートが上がります(小型・標準は通常期の約1.8倍)。年間シミュレーションでは、10〜12月の在庫見込み量に繁忙期レートを別途適用しないと利益計算が楽観的になります。
シミュレーターの値をそのまま固定値として使い続ける Amazonは手数料体系を定期的に改定することがあります。改定があった際はシートの参照値も更新してください。改定の有無はセラーセントラルのお知らせやFBAヘルプで確認できます。
自分で計算する方が合うケース・合わないケース
| 向いているケース | 向いていないケース |
|---|---|
| SKU数が少ない(〜数十点) | SKU数が多く更新頻度が高い |
| 新商品の仕入れ前に損益を試算したい | 広告費との統合管理が必要 |
| ツールの月額コストを抑えたい段階 | 複数モールを横断して管理したい |
まとめ
FBA手数料の手計算は「FBA料金シミュレーターで配送代行手数料を確認→体積と保管日数で在庫保管手数料を計算→スプレッドシートに月額レートを変数として持たせる」という流れで整理できます。繁忙期レートの切り替えと、Amazonによる再計測でサイズ区分が変わるリスクの2点が、現場で計算がずれやすい主な原因です。定期的に実際の請求明細と突き合わせて、シートの精度を保つようにしてください。