結論
Amazonの広告には主に「スポンサープロダクト(SP)」「スポンサーブランド(SB)」「スポンサーディスプレイ(SD)」の3種類があります。SPは今すぐ買おうとしているユーザーに商品を見せる広告、SBはブランド全体を訴求する広告、SDは購入前後のユーザーや競合商品の閲覧者にリーチする広告です。3つは目的も掲載場所も異なるため、組み合わせて使うのが基本です。
3種類の広告タイプを比較する
| 項目 | スポンサープロダクト(SP) | スポンサーブランド(SB) | スポンサーディスプレイ(SD) |
|---|---|---|---|
| 主な掲載場所 | 検索結果ページ(上部・中部・下部)、商品詳細ページ | 検索結果ページの最上部、下部 | 商品詳細ページ、検索結果、外部サイト |
| 広告の見た目 | 通常の商品リストと同じ形式 | ロゴ+見出し+複数商品 | 商品画像+価格のバナー形式 |
| クリック先 | 商品詳細ページ | ストアページまたは専用ランディングページ | 商品詳細ページまたはストア |
| ターゲティング方法 | キーワード・商品・カテゴリ | キーワード・商品・カテゴリ | オーディエンス・商品・カテゴリ |
| ブランド登録の要否 | 不要 | 必要 | 不要(一部機能は必要) |
| 課金方式 | クリック課金(CPC) | クリック課金(CPC)またはインプレッション課金(vCPM) | クリック課金(CPC)またはインプレッション課金(vCPM) |
※各広告タイプの詳細な仕様や利用条件は変わる場合があるため、advertising.amazon.com のヘルプで最新情報を確認してください。
各タイプの特徴と使いどころ
スポンサープロダクト(SP)
SPは3種類の中でもっとも設定がシンプルで、検索結果に通常の商品リストとほぼ同じ見た目で表示されます。ユーザーが商品名や用途を検索したタイミングで表示されるため、購入意欲が高い層に直接リーチできます。
キーワードの種類 は大きく3つあります。
- オートターゲティング: Amazonが商品情報をもとに自動で候補を選ぶ。新しく商品を出す際にデータ収集目的で使われる
- マニュアルターゲティング(キーワード): 自分でキーワードを指定する。一致タイプ(完全一致・フレーズ一致・部分一致)によって配信範囲が変わる
- マニュアルターゲティング(商品): 特定のASINやカテゴリを指定して、その商品詳細ページに表示する
SPは広告費対効果(ROAS)や広告費売上比率(ACoS)を測定しやすく、予算管理のしやすさも特徴です。まずSPでデータを積んでから、他のタイプに広げていくのが一般的な進め方です。
スポンサーブランド(SB)
SBは検索結果ページの最上部に大きく表示され、ブランドロゴ・見出しテキスト・複数の商品を並べて訴求できます。クリック先をストアページや専用のランディングページに設定できるため、ブランドの世界観を伝えやすいのが強みです。
SBには「スポンサーブランド動画」という形式もあります。検索結果の中に動画が自動再生される形で表示され、商品の使用感や特徴を視覚的に伝えやすくなっています。
向いているシーン
- 新ブランドの認知を広める段階
- 複数のラインナップをまとめて訴求したいとき
- 競合ブランドのキーワードで検索したユーザーに自社を見せたいとき
SBはブランド登録が前提条件になるため、ブランド登録を済ませていないセラーは使えません。
スポンサーディスプレイ(SD)
SDは商品詳細ページや外部サイト(TwitchやIMDbなどAmazon提携サービスを含む)にバナー形式で表示される広告です。他の2タイプと異なり、「キーワードで検索していないユーザー」にも接触できる点が特徴です。
ターゲティングの種類は主に2つです。
- コンテキストターゲティング(旧称:商品ターゲティング): 特定のASINやカテゴリの商品詳細ページに表示する。競合商品を閲覧しているユーザーに見せるために使われる。Amazon内のみに配信される
- オーディエンスターゲティング: 過去に自社商品を閲覧したユーザーや、類似商品に興味を示したユーザーに表示するリターゲティング的な使い方。AmazonオーディエンスAmazon外の外部サイト・アプリへの配信も含む
SDはSPやSBと比べてCVRが低くなりやすい傾向があります。購入直前の需要捕捉というよりも、認知拡大や既存の興味層へのリマインドとして位置づけると予算管理がしやすくなります。
よくある失敗と対処
「SBを使えばすぐに売上が上がる」と思い込む
SBはクリック先がストアページになる場合が多く、商品詳細ページに直接飛ばすSPと比べると購入までのステップが増えます。ブランド認知が低い段階でSBに予算を集中させると、費用対効果が低くなりやすいです。まずSPでASINの評価(レビュー・評価数・ランキング)を固めてからSBを追加するのが現場では一般的な順序です。
SDのオーディエンスターゲティングに予算をかけすぎる
SDのリターゲティングは母数が少ないカテゴリでは配信がほとんど出ないことがあります。配信量が出ているか、インプレッション数を定期的に確認することが必要です。
3種類をすべて同時に立ち上げてデータが分散する
広告タイプが増えると管理するキャンペーン数も増え、どこに問題があるか判断しにくくなります。まずSPで検索語句レポートを蓄積し、成果が出るキーワードが見えてからSBやSDに展開する方が修正しやすいです。
用途別の判断の目安
| 目的 | 優先するタイプ |
|---|---|
| 今すぐ購入しそうな層へのリーチ | SP |
| ブランドや商品ラインナップの認知獲得 | SB |
| 競合商品の詳細ページにて自社を見せる | SD(コンテキストターゲティング) |
| 過去に閲覧したユーザーへのリマインド | SD(オーディエンス) |
| 動画で商品の特徴を訴求したい | SB(動画フォーマット) |
| 広告初心者・データ収集フェーズ | SPのオートターゲティング |
まとめ
- SP は購入意欲の高いユーザーへの直接訴求が強みで、広告の起点にしやすい
- SB はブランドロゴや複数商品を一覧で見せられるが、ブランド登録が前提
- SD はキーワード検索外のユーザーにも届くが、CVRは低くなりやすいので目的を絞って使う
3タイプはそれぞれ補完関係にあります。予算や運用リソースに余裕が出てきたタイミングで段階的に広げていくのが、費用対効果を保ちながら運用を安定させる基本的な考え方です。